・好業績タカラトミーは株主優待も特別! 創業100周年の来年は豪華に?
「Chat GPT(チャットGPT)」といった生成AIが話題を集めるようになり、AI関連のニュースを耳にする機会が増えてきました。株式市場でもAIは注目されるテーマとなっており、半導体関連銘柄などに資金が流入する場面が見られています。
こうした環境で、「ソフトバンクグループ」が改めて注目されています。AIブームで好成績となったエヌビディアの決算が発表されると、ソフトバンクグループ株式には関連株の一角として買いが向かいました。同社は半導体設計大手の「アーム」を押さえていることもあり、AIブームで恩恵を受けるとの思惑が広がったとみられています。
【ソフトバンクグループ株価(日足終値)】
ソフトバンクグループがアーム買収を発表したのは2016年7月18日のことです。今回は今注目を集めるアームに焦点を当ててみましょう。
半導体設計大手アームを3.3兆円で買収
ソフトバンクはアーム全株式14億1200万株を約240億ポンド(1株あたり17ポンド)で買い占めました。日本円では約3.3兆円となり、これまでのボーダフォン日本法人(同1兆7820億円)や米スプリント(同1兆8000億円)を超えるソフトバンク史上最大の買収となりました。
ソフトバンクは巨額な買収費用を保有する株式の売却や銀行融資で賄い、同年9月に現金で株式の取得を完了します。これに伴い、アーム株式はロンドン取引所を上場廃止となりました。
【アームの株価(月足、2015年3月~2016年9月)】
日本のM&Aの中でもトップクラスの高額買収でしたが、ソフトバンクにとっては高い買い物ではなかったのかもしれません。独占禁止法などから実現しませんでしたが、2020年9月に米半導体大手のエヌビディアがアームを約4.2兆円で取得することで合意します。もし成立していればおよそ9000億円の売却益を得ていたでしょう。