借金の平均額は?
では、次に負債、つまり借金の状況について見てみましょう。
2人以上世帯を年齢階層別で見た時、負債保有世帯の割合が最も高いのは40~49歳になります。ちなみに年齢階層別の比率は次のようになります。
40歳未満・・・・・・58.2%
40~49歳・・・・・・66.1%
50~59歳・・・・・・51.4%
60歳以上・・・・・・17.9%
出所:「家計調査報告(貯蓄・負債編)」(令和5年5月12日)
歳を重ねてまで借金はしたくないということか、それとも定年時に抱えていた借金を退職金で清算したからかは定かでありませんが、60歳以上で負債を抱えている比率は大幅に低下します。
その理由として、負債の大半が持ち家購入によるものという点が大きいのではないかと考えられます。
住宅・土地のための負債の割合の大きさ
年齢階層別に負債現在高と、それに占める「住宅・土地のための負債」の額を比較してみましょう。カッコ内の数字が「住宅・土地のための負債」になります。
40歳未満・・・・・・1469万円(1392万円)
40~49歳・・・・・・1226万円(1150万円)
50~59歳・・・・・・620万円(549万円)
60~69歳・・・・・・207万円(161万円)
70歳以上・・・・・・90万円(75万円)
出所:「家計調査報告(貯蓄・負債編)」(令和5年5月12日)
これらの数字を見ると、40歳未満から50~59歳の年齢階層では過半数の人が家計で負債を抱えており、その大半が住宅ローンであることが分かります。
「人生の最大目的は住宅ローンの返済」などと皮肉の1つも言いたくなりますが、そのくらい住宅ローンの負担は重いということです。
賃貸派か、それとも持ち家派かは、永遠に結論の出ない神学論争ですが、子々孫々まで家を残すという時代ではありませんし、単身者世帯が年々増加傾向をたどっている点から考えれば、長期の住宅ローンを組んで持ち家を購入する意味は、徐々に無くなりつつあるようにも思えます。