信託報酬が0.5%違うと30年後には数百万円の差に!
信託報酬の差が運用成果にどれほど影響するのか、パッとイメージしづらいかもしれない。例えば、2024年からはじまる新NISAで毎月5万円ずつ30年間投資信託を積立購入するケースを考えてみよう。年利4%の場合、信託報酬0.5%と1.0%の投資信託を30年間購入し続けると、その運用成果の差はなんと250万円以上になる計算だ。
利子に利子がつき、長期運用により資産が大きく膨らむ積立投資。これこそ複利の効果だが、同じ理論で毎日引かれつづける信託報酬の影響は軽視できない。長期運用が前提である積立投資にとって、1000分の1%の差が数百万円単位の差に広がってしまうのだ。
では、投資信託ファンド選択時の信託報酬はどの程度を目安にしたらいいのだろうか。先に述べたが、単純に信託報酬が低ければいいといった話ではないのが投資の奥深いところでもある。信託報酬だけでなく、次のようなコストも確認しておきたい。
そのほかにもかかる投資信託の手数料
投資信託には信託報酬のほかにもコストが存在する。代表的なものは以下の通りだ。
購入時手数料
購入時手数料は、投資信託購入時に販売会社に支払う手数料である。販売手数料とも呼ばれるもので、ファンドの代金とは別に徴収され、金額は所定の料率で決定する。ただし、近年はこの購入時手数料を無料とする商品(ノーロード商品)を取り扱う販売会社が主流である。つみたてNISAの公募株式投資信託対象商品は、購入時手数料0円のノーロード商品に限定されている。
信託財産留保額
信託財産留保額は、一般的に解約時に徴収される手数料である。解約代金に所定の料率をかけた金額が徴収され、信託財産内にとどめおかれることから『留保額』とも呼ばれている。信託財産留保額の設定がない投資信託や、購入時に支払う投資信託もある。これも購入時手数料と同様、販売会社によってはかからないケースがある。