意外に知らない外国の「飛び地」

アメリカは50の州で構成されていますが、その中にプエルトリコは含まれません。プエルトリコはもともとスペインの統治下にありましたが、1898年に起きた米西戦争の結果アメリカに割譲されました。対外的にはアメリカ連邦政府が主権を発揮しますが、域内の自治はプエルトリコ政府が担っています。

このように、欧米の先進国では歴史的な経緯から海外に領土を持つケースが少なくありません。例えば観光地としても人気の高い「ニューカレドニア」はフランスが領有権を持っており、タックスヘイブン(租税回避地)として有名な「ケイマン諸島」はイギリスの海外領土です。

【主な海外領土】

 

海外領土は本国への帰属意識が低い場合もあり、独立機運が高まると地政学リスクが意識され経済に悪影響を及ぼす可能性があります。海外に領土を持つこととなった経緯を調べてみると、面白い気付きがあるかもしれません。

もっとも、これらの地域は領土が非常に小さいことも多く、「あえて主要国に属していた方が都合がよい」という思惑が働いているケースもあるでしょう。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。