2022年、日本では生まれた子どもの数が80万人を切りました。「コロナ禍だから……」ですが、そればかりを理由にして、政府も手をこまねいているわけではありません。この3月末には、児童手当の拡充を柱とする少子化対策の「たたき台」が公表されました。また、4月からは、こども家庭庁も「発足」しています。こうした取り組みが日本の少子化傾向を食い止める、そんなきっかけになってくれることを願ってやみません。
でも、一連の少子化対策はまだ「たたき台」の段階、こども家庭庁も「発足」したばかり。今すぐに何か、という話ではありません。
そこで、子どもを持ちたいとは思うけど、なんとなく結婚や妊娠まで踏み込めない――。今、そんなことを感じていらっしゃる皆さまへのアドバイスを考えてみました。ご一読ください。
子どもの教育費準備のキモは「大学の授業料」
さて、どんな調査やアンケートでも、子どもを持たない理由、断トツのトップは「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」ですよね。たしかに大学卒業まで考えると、教育費は子ども1人に1000万円レベルの大きな金額がかかりますので、そのように考えるのも致し方ないかもしれません。
でも、そんな皆さまにまずお伝えしたいのが、子どもの教育費準備のセオリーですね。簡単に申し上げれば、高校卒業までは家計のやりくり、大学の授業料は子どもが生まれてから時間をかけて準備する、これが基本になります※1。
※1 この辺りのことを詳しく知りたい方は、拙稿『教育費は1人約1000万円…「お金がかかるから子は持たない」と思う人が見落としている“視点”』をご一読ください。
こんなふうに考えると、子どもの教育費準備のキモになるのは、大学の授業料だということも分かるでしょう。その目安については、以下をご確認ください。
■大学の授業料の目安 ※2
国立大学(4年)242万円
私立文系大学(4年)407万円
私立理系大学(4年)551万円
私立医科歯科系大学(6年)2396万円
※2 文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」、「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」を基に筆者が試算
大学の授業料と言っても、進学先によって大きく違うことも分かりますね。もちろん、これから生まれてくるお子さまの進学先は神のみぞ知るですが、ファイナンシャルプランニングの現場では「私立理系を想定して500万円を目標にしましょう」と申し上げることが多いですね。大学の授業料は500万円、ひとまずは目安として覚えておいてください。