定期預金で資産を2倍にするには4万5千年かかる
それでは預金などの金利ではどうでしょうか。
低金利の今、メガバンクの定期預金の金利を見ると、0.002%(2023年3月現在)でした。これを72の法則に当てはめると、72÷0.002=36,000ですから、3万6千年もかかって、やっと2倍になることがわかりますが、実はこれ、あくまで税引き前の計算になります。
金利が低く、利息があまりつかない状態であっても、利益に対して20%の税金を納めることになります(実際には2037年までの復興特別所得税0.315%も上乗せされます)。
実際のリターン=0.002×(1-20%)=0.0016%になります。72÷0.0016=4万5千年という結果になります。
先ほどの5%の場合でも計算してみましょう。もし、毎年増えた分だけ配当を出す商品だった場合、受け取った配当から税金を納め残ったものを再投資していくと、5%×(1-20%)=4%となりますので、72÷4=18年となります。税金を考慮しなければ14.4年でしたので、そこから3年以上も伸びてしまいます。
税金は納めなければいけないものですが、資産形成にとっては大きなコストになっています。だからこそ、NISAや確定拠出年金(iDeCoやDC)などの税制優遇がある仕組みを使って欲しいのです。
さらに、これは覚えなくても大丈夫なのですが、「100の法則」もあります。72の法則は複利の計算でしたが、100の法則は“単利”の金融商品の場合になります。資産を単利で運用した時に、資産を2倍にするには何年かかるかという計算です。当たり前ですが、資産を2倍にするのにさらに年数がかかることがお分かりいただけるでしょうか。