投資経験者に人気の投資信託は?
では、投資信託を保有した経験がある人は、どのようなタイプの投資信託を保有しているのでしょうか。
現在、保有している投資信託については、「国内株式に投資する投資信託」が最も高く51.0%、次いで「外国株式に投資する投資信託」が45.5%、「株式や債券など、いくつかの資産に分散して投資する投資信託(バランス型)」が42.4%と続いています。
かつて投資信託は国内株式に投資するものが中心でしたが、この数年で米国の株価が大きく上昇したことや、米国株投資の認知度が向上したためか、S&P500など米国の株価インデックスに連動するタイプの投資信託が人気を集めてきました。
その点で、国内株式に投資する投資信託と、外国株式に投資する投資信託の数字が拮抗しつつあることがよく分かります。
また、これから資産形成を始める人は、価格変動リスクを何よりも嫌がる傾向があります。これが、複数の資産クラスに分散投資して価格変動リスクを緩和させるバランス型に人気が集まる理由です。
一方、人気がない投資信託は「国内不動産投信(Jリート)」で9.7%でした。しかし、一定額以上の資産を保有する人にとっては、国内不動産投信も積極活用を検討する意味はあると思います。
国内不動産投信は組入不動産から得られる賃料収入の90%以上を分配金に回さなければならないというルールがあり、分配金利回りも2.5%~6.5%と高めだからです。
仮に2000万円程度の運用資産を年4%の分配金利回りで運用できれば、年間の分配金額は80万円になります。つまり、月6万6000円程度の現金収入が得られるということです。これは、特にシニア層にとって非常に魅力的ではないでしょうか。その点でも、国内不動産投信の有益性について広く知らしめる必要があります。
本稿では、少し気になった数字を抽出して解説を加えましたが、全95ページの同アンケートには、他にも様々なデータが掲載されています。興味のある方は、投資信託協会のホームページをぜひご覧になってください。