良太さん(仮名、20代前半)は3つのアルバイトを掛け持ちするフリーター。生活していくのがやっとで、常々「もっとお金を稼げる方法はないものか」と考えていました。

そんなときにSNS上で「高額報酬」をうたう闇バイトを発見。早速投稿者に連絡を取ると、携帯電話を契約して送るよう指示が出されます。契約料金などの負担はなく、ただ指定された住所へ送るだけで5万円の報酬を受け取れるという話でした。

軽い気持ちで闇バイトに手を出した良太さん。銀行口座を開設して通帳を送る、という作業もしました。ところが後日、報酬が振り込まれないどころか携帯電話の請求まで来てしまいます。さらに雇い主とは連絡が取れなくなっており、さすがにおかしいと思って調べると、自分のしていたことが違法行為だったことを知ります。

告発されてしまう恐れから携帯会社に事情も説明できず、泣く泣く、使ってもいない携帯代を支払う羽目になってしまったのです……。

●闇バイトに最適? “話題”の通信アプリとは
※前編【「5万円の報酬」につられて闇バイトに手を出した結果…絶望の末路へ】からの続き

犯罪捜査の対象になる

良太さんが名義を貸した銀行口座はどうなったのでしょうか? こちらについては、後に警察から連絡がありました。なんと良太さんの貸した口座が振り込め詐欺に使われた、というのです。

良太さんは警察から「詐欺の幇助犯」として取り調べを受けてしまいました。銀行口座を人に貸すのは「犯罪収益移転防止法」という法律に違反する行為です。良太さんは、知らず知らずのうちに犯罪行為にまで手を染めてしまっていたのです。

そのことが銀行に発覚し、良太さんは自分の使用している他の口座まで凍結されてしまいました。

結局、良太さんは携帯電話会社に自分が使ってもいない料金の支払いをしなければならず、犯罪の被疑者にもなってしまい、銀行口座まで使えなくなって大変な目に遭いました。

闇バイトなんかに手を出すんじゃなかった、と心から後悔しています。