リーマン・ショックに直撃されて配当株投資の底力を認識

私がなぜ、配当株投資と真剣に向き合うようになったのか?

その経緯をお伝えすることで、配当株投資が持つ「ポテンシャル」(潜在能力)の高さや「底力」の一端をご理解いただけると思います。

私が初めて証券会社に自分の口座を開いたのは2006年の夏ですから、16年ほど前のことになります。

子供の頃から、お金を貯めたりするのが好きだったこともありますが、その当時は「村上ファンド」の村上世彰さんや「ライブドア」の堀江貴文さんがメディアを騒然とさせていた時代ですから、ごく自然に株式投資に目が向いたのだと思います。

その頃は学生だったので、単純に「株を持っていれば、テレビ局が買えちゃうのか!?」という程度の認識しかなく、「何だかよくわからないけど、株って凄いんだな」と思うようになって、株式投資のイロハを学び始めました。

世の中に、預貯金の他にお金を増やす方法があることを初めて知って、「何だか面白そうだな」という好奇心だけで株式投資を始めたという感じです。

運がよかったのは、「ライブドア・ショック」の後遺症によって、株価が底をついた時期だったことです。

あまり深く考えずに、話題になっている銘柄を適当に選んで売買していたら、わずか1カ月くらいで、すぐに利益が積み上がりました。

利益といっても、100万円くらいの話ですが、まだ10代の学生にとっては、十分すぎるほどの大金です。

「株式投資というのは、自分に合っているのかな?」
勝手に舞い上がって、軽く浮かれたような気分になっていました。

このまま株式投資を続けていけば、簡単に1億円くらい手に入るのではないか……と思い始めた矢先に、リーマン・ショックに直撃されて、見事に奈落の底に突き落とされました。

株式投資を始めて3年目の2008年の9~10月のことです。

私の持っている株も、軒並み大幅な値下がりをしていましたから、本当に目の前が真っ暗になるような絶望感を味わいました。

この地獄を体験したことで、初めて配当株投資を意識するようになりました。

その当時、日経平均株価はバブル後を下回る26年ぶりの安値水準を記録しましたが、そんな状況であっても、着実に黒字を出している企業があり、数千円とか、数万円の配当金が入ってきました。

「地獄に仏」といったら大げさですが、これにはすごく助けられました。

金銭的にも心理的にもドン底に突き落とされた状態ですから、わずかな金額であっても、救いの神が優しく手を差し伸べてくれたように感じられました。

ありがたいなぁ、すごいなぁ。

それまで何とも思っていなかった「配当金」について、改めてその意味と価値を見つめ直すきっかけになりました。

株価がどんなに下落しても、企業が頑張って稼いでくれれば利益をもたらしてくれるのですから、これほど頼もしい存在はありません。

私に限らず、現在、配当株投資をやっている人の多くは、リーマン・ショックや、2011年の東日本大震災、2020年のコロナ・ショックなどで手痛い失敗を経験しているのではないでしょうか。

2022年に配当株投資が再注目されたのも、株価の低迷によって痛い思いをした人たちが、改めてその「底力」に着目したからだと考えています。

●後編(株価は気にしない! 「配当株投資」なら誰でもお金を雪ダルマ式に増やせる“理由”)では、配当株投資はどのような”手順”で進めるのかを解説します。

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