相場の不透明感の増す環境下で、配当株への注目度が高まっています。自身も配当株投資を行う配当太郎さんによれば、配当株投資は、株価に一喜一憂することなく時間をかけて利益を積み上げる投資方法であり、基本を押さえれば誰にでもできるといいます。

そんな配当株投資の魅力と、着実に資産を増やしていく方法を分かりやすく解説したのが、著書『年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資』。今回は特別に同書「はじめに」の一部を公開します(前後編の前編)。

※本稿は配当太郎著『年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

株式投資で痛い目を見た人が配当株投資を始める理由

日本人の平均年収は、この30年間、ほとんど上がっていません。

バブル崩壊以降、日本人の賃金や生産性は先進国の中で最低レベルとなっていますから、日本が世界第3位の経済大国であることなど、ほとんどの人が忘れてしまったように感じています。

30年間も賃金が上がっていないため、最近は20~40代の現役世代を中心として、日本人の間で「投資熱」が高まっているといわれます。

若い世代の人は生活防衛のための手段として、中高年の方々は老後を安心して過ごすために、株式投資に注目しているようです。

この本を手に取ってくださった方も、ほとんどが次の5つのどれかに当てはまるのではないでしょうか?

① これから株式投資を始めたい
② 着実に資産を増やせる投資法を探している
③ 株式投資で痛い目を見たので再挑戦したい
④ 年金や貯蓄だけでは老後の生活が不安
⑤ 給料の他に安定した収入源が欲しい

本書で紹介する「配当株投資」は、こうした人にこそ、適した投資法だと思います。

逆の見方をすれば、この5つが配当株投資の最大の持ち味ということができます。

配当株投資とは、株を保有していることで、その企業が利益の中から株主に分配する「配当金」によって利益を得る……という投資法です。

この本では、配当金を主な目的とした株式投資を「配当株投資」と称しています。

株式投資というと、切った張ったの派手なマネーゲームを連想する人もいるかもしれませんが、配当株投資はそうしたギャンブル的な要素とは無縁な存在です。

10万円を投資しても、それが明日には100万円に化けることは期待できませんが、着実に配当金を積み上げていけば、やがて毎年100万円の利益を手にする日がやってきます。

その間、株価の動向に一喜一憂する必要はなく、仕事の合い間などに忙しなく株を売買する必要もないのが、この配当株投資の一番の利点です。

稼ぐ力があり、株主に対してきちんと利益を還元する企業に投資して、配当金が積み上がっていくのを淡々と楽しむ……。

これが配当株投資の本質であり、無謀な株の売り買いを繰り返さなくても、十分に恩恵を受けることができるのです。

私は現在、ツイッターで「配当株投資」の魅力を発信し続けていますが、2021年2月から始めて、およそ2年の間にフォロワー数は7万5000を超えています。

ツイッターを始めた動機は「なぜ、これほど魅力的な配当株投資を、多くの人が注目しないのだろう?」という素朴な疑問を持ったことが出発点ですが、私が授かった配当株投資の数々の恩恵に対しての「恩返し」の気持ちもあります。

私がこの本の執筆を決めた理由は、もっと詳しく、もっと深く、もっと幅広い世代の人たちに、配当株投資の魅力をお伝えしたいと考えたからです。