客足が戻らない中で業績が回復した理由

新型コロナウイルスが猛威を振るっていたとき、多くのテーマパークは冬の時代を迎えました。東京ディズニーランドも休園などの対応を余儀なくされ、業績は大きく悪化します。

しかし、最近は東京ディズニーランドの復活が話題を集めています。オリエンタルランドは1月30日、2023年3月期の業績予想を上方修正し、売上高を4647億円、純利益を681億円としました。これは2020年3月期を上回る水準です。予想通りとなれば、オリエンタルランドは緊急事態宣言が出される前の業績を取り戻すことになります。

なお、2023年3月期における入園者数の予想は2100万人と2020年3月期(2901万人)の7割ほどにとどまっており、客足が戻っているとはいえません。なぜオリエンタルランドの業績は大きく回復したのでしょうか。

【業績と入園者数】

オリエンタルランド「決算短信」および「決算説明会資料」より著者作成

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業績の回復は、主に客単価の改善によってもたらされたと考えられます。この間1人あたり売上高は4000円以上増加し、その約6割をチケット収入の増加が占めました。オリエンタルランドは2020年4月から2021年10月まで入場料を3回値上げしており、これが業績の回復に寄与したとみられています。

【1人あたり売上高】

※2023年3月期(予想)は、第3四半期時点における同社の予想
※2023年3月期(予想)の「チケット収入」は、駐車場代などが含まれる「アトラクション・ショー収入」

出所:オリエンタルランド 決算説明会資料

【オリエンタルランドの株価】

Investing.comより著者作成

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