先行きが不透明…投資はどう考えるべき?

それに、先行き不透明感が強まっているから外国債券ファンドを購入しているのだとしたら、その考え方をまず改めた方がいいでしょう。

そもそも論で言うと、マーケットの先行き不透明感が強まったとしても、自分自身が不安に駆られないような比率でリスク資産への資産配分比率を決めて投資するのが、正しい分散投資の在り方だからです。

先行きの不透明感が強まっているからと、マーケットのタイミングを見計らって保有資産の組入比率を変更したとして、その判断が必ず正しいとは限りません。株式ファンドの比率を下げた途端、逆に株価が他の材料で値上がりしたら、組入比率の変更がむしろ仇になる恐れがあります。

株式市場が下げた時に取るべき行動

また、株式市場が下げた時に取るべき行動は、株式の投資比率を引き下げるのではなく、むしろ安くなったところで株式を買い増し、組入比率の最適化をはかることです。

たとえば100のポートフォリオのうち、株式に50、預金に50、つまりそれぞれに50%ずつ投資するのを基本の組入比率にしたとしましょう。ところが株価の下落で株式40、預金が50になると、この組入比率が変わってしまいます。

この場合、預金から5を取り崩して株式を買い、株式45、預金45にすることで、株式50%、預金50%という基本の組入比率に戻します。これをリバランスと言います。長期投資をする際には定期的にリバランスを行い、組入比率の最適化をはかることが肝心です。

外国債券ファンドの必要性

さらに言えば、個人が資産運用をする際に、本当に外国債券ファンドを組み入れる必要があるのかということも、改めて考える必要があります。

恐らく、外国債券ファンドを組み入れる人は「ポートフォリオの安定性を高めるため」と考えるのかもしれませんが、大概の人は投資信託だけで資産を保有している訳ではないはずです。外国株式ファンドや国内株式ファンドの他に、ある程度の現預金も持っているのではないでしょうか。

つまり、保有資産全体で見れば、ポートフォリオの安定性を高めるための措置を現預金で実現していると考えられます。そのため、一定額の現預金を保有しているのであれば、個人がリスク分散を気にして外国債券ファンドを購入する必要はほとんどないとも言えるのではないでしょうか。