背景にはマンションの値上がりがありそうです。国土交通省の「不動産価格指数(住宅)」を確認すると、マンションの価格は他の不動産よりも大きく上昇していることが分かります。
【不動産価格指数(住宅)の推移】
この結果、マンションにおける相続税評価額と時価が大きく乖離する事例が生じてきました。国税庁が2023年1月に開催した有識者会議の公開資料によると、時価と相続税評価額が3倍以上も差があるケースもあったようです。
【時価と相続税評価額の乖離の事例】
出所:国税庁 マンションに係る財産評価基本通達に関する有識者会議について 資料
国税庁は有識者会議などで得られた意見を参考に、相続税上のマンションの評価方法を見直す方針です。経緯を踏まえれば、相続時の評価額が引き上げられるような変更が検討されることとなるでしょう。節税効果が低下することになれば、市場価格にも影響があるかもしれません。
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。