DCの商品ラインアップを見直す企業が増えている

企業型確定拠出年金(DC)の実施企業では、運用商品ラインアップの見直しが進みつつあります。その背景には、法令改正やDC向けの商品数の増加、資産形成への意識の高まりなど、さまざまな環境変化が考えられます。

商品ラインアップ見直しについて、どんな課題があり、どのような効果が期待されているのかについて整理してみましょう。

増えるバランス型投資信託の追加
ターゲットイヤー型がトップ

制度開始から2022年3月末までの間に、商品追加を行ったことのある企業型DC規約は、全体の63.8%にのぼるという調査結果があります。

同じ調査で、2021年4月から2022年3月の1年間に追加された運用商品数は延べ3,308本で、そのほとんどが投資信託でした。

投資信託の種類別にみると、バランス型投資信託(国内外の株式や債券など複数のアセットクラスを組み合わせたもの)がもっとも多く、次に外国株式型投資信託となっています。

バランス型投資信託のなかでも、ターゲットイヤー型が半数以上を占めました(※1)

ターゲットイヤー型とは、目標年(ターゲットイヤー)に向けて、株式や債券など、複数のアセットクラスの組み入れ比率を自動調整する投資信託です。

個々人で考えれば、ターゲットイヤーは人それぞれですが、日本ではターゲットイヤーを10年もしくは5年きざみで設定して提供する運用会社が多く、企業はそのすべてをシリーズとして採用するか、10年きざみ等でラインアップするか、を判断することになります(前述の調査では1シリーズの平均が3.75本)。

※1 年金情報2022年10月17日号 運営管理機関へのアンケートベース。3,308本の運用商品が追加されており、バランス型投資信託は1,300本(うちターゲットイヤー型は673本:ターゲットイヤー型はシリーズを1本として計算)、外国株式型投資信託は630本、国内株式型投資信託が453本。