インデックス投信でポート提案、販売手数料のモデルを放棄
タスクフォースの中間報告書を眺めていても結論は見えてこない以上、永田町や霞が関の外で実績を積み上げ、関係者の合意の前提を動かすほうが生産的だ。現実問題としても中立的アドバイザーの認定のあるなしよりも、顧客に価値あるアドバイスを提供し、資産形成や資産運用の専門家として正当な対価を受け取ることのほうが重要である。真に顧客から信頼されるアドバイザーとの評価を勝ち取れば、「金融機関のグループ会社だから認められない」といった理屈も通りにくくなる。
北國銀行は2021年5月に助言会社のFDAを設立したのに続き、同年10月のグループの改組に伴い、この助言会社を銀行持ち株会社である北國フィナンシャルホールディングスの傘下に移行。資本関係で銀行本体と一線を画した。助言会社は金融商品の販売に携わらないので、中立的アドバイザー認定の最低限の条件はクリアした。
一方、販売業務を担う北國銀行は前述の通り全投信をノーロードとしており、顧客利益を損なうとして非難される手数料目当ての回転売買に陥る恐れがなくなった。さらに、2023年2月に低コストのインデックス投信の代表銘柄である「eMAXIS Slim」シリーズの全13本を採用。FDAが顧客と面談してマネープランを作ったうえで、北國銀行が扱う低コスト投信を活用してポートフォリオを組む体制を整える。
販売手数料を取らない代わりにアドバイスを有料とするので、ポートフォリオに組み入れる投信は低コストファンドとし、顧客の負担を増やさないための判断だろう。