NISA普及へ、アドバイザーが口座開設からサポートする案も
NISAは株式や投信の売却益などを非課税とする制度だ。NISA以外での資産運用は利益の20%が課税され、しかも近い将来に税率が上がる公算が大きい(NISAの大幅拡充は他の口座での課税強化とバーターとの意味もある)。
このNISAの利用者を増やさなければ、国民全体の資産所得倍増は難しい。利用者拡大を阻むものは家計に余裕がないことや元本割れへの不安などが挙げられるが、当局内には口座開設など手続き面の煩雑さを指摘する声もある。同庁が主催する「顧客本位タスクフォース」で議論されている「顧客の立場に立ったアドバイザー」(FDアドバイザー)には、こうした面でのサポートも期待されている。
NISAは投資初心者の利用が多い。初心者ならば金融機関に出向き、販売員などのサポートを受けながら手続きしたいところだが、NISA、特により小口のつみたてNISAは売り手にとって採算が悪く、熱心な販売会社はそれほど多くない。そのため、利用者がネットチャネルに流れるケースが多い。
しかし、金融庁によればメガバンクなど大手金融機関でのネット経由のNISA口座の開設申込のうち、開設まで至らず途中で断念してしまう「離脱率」は6割を超えている。低いところでも5割台だという。この比率を下げれば、利用者は自然に増えることになる(ただし、同じ人が何度もチャレンジし、3回目に開設できた場合は離脱率を下げても利用者は増えない)。そこで、FDアドバイザーに口座開設から「導き手」になってもらう案が温められているわけだ。