金利上昇でも資金が集まる
近年懸念される金利の上昇も、同銘柄には追い風となった可能性があります。
市場金利の上昇は一般に債券価格を押し下げるため、基本的に債券型ファンドは避けられる傾向にあります。しかし高利回り債に投資する野村米国HY債券投信米ドル(毎月)はデュレーションが比較的短くなるため、金利上昇時の値下がりは限定されることが予想されます。
アメリカを中心に金利が上がる中、野村米国HY債券投信米ドル(毎月)はその他の債券型ファンドより選好されやすかったのかもしれません。
【ポートフォリオ特性(2022年11月末時点)】
平均格付 | B |
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平均クーポン | 5.0% |
平均直利 | 5.5% |
平均最終利回り | 7.4% |
平均デュレーション | 3.9年 |
安定的に長期運用したい人におすすめ
野村米国HY債券投信米ドル(毎月)は、アメリカの高利回り債に投資する投資信託です。投資顧問を「ノムラ・コーポレート・リサーチ・アンド・アセット・マネージメント」(以下:NCRAM)が務めており 、同銘柄の実質的な運用を担っています。
NCRAMは野村ホールディングスの米国籍運用会社で、これまで高利回り債に特化し30年以上運用してきました 。リサーチ力に強みがあり、同社のアナリストは企業と年間3000回以上接触して投資に値する「強い馬」(※)を探し出しています。
野村米国HY債券投信米ドル(毎月)の投資対象である米国高利回り債は、収益の多くを利子収入が占める傾向にあります 。短期的な値上がりよりも、長く保有よることでパフォーマンスの向上に期待できるでしょう。
長期運用を検討している人は、野村米国HY債券投信米ドル(毎月)をポートフォリオに組み込んでみてはいかがでしょうか。
ただし、高利回り債は一般的な債券よりも信用リスクが高い債券です。発行体の財務が悪化するなどし、利払いや償還ができない事態に陥る可能性が比較的高い傾向にあります。投資の際は、その点を十分検討して判断してください。
※強い馬:NCRAMの投資哲学。債券の発行会社を「馬」、債務を「荷車」に見立て、債務を負いつつも成長する企業を「強い馬」とし、投資対象とする考え方 。
【野村米国ハイ・イールド債券投信(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)の概要】
銘柄 | 野村米国ハイ・イールド債券投信(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型) |
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運用会社 | 野村アセットマネジメント |
ファンドのタイプ | 海外債券型 |
設定日 | 2009年1月28日 |
信託期間 | 2029年1月25日まで |
決算日 | 毎月25日 |
受渡期間 | 7営業日 |
販売手数料(最大、税込み) | 3.3% |
信託報酬(全体、税込み) | 1.668%程度 |
信託報酬(販売会社、税込み) | 0.55% |
信託財産留保額 | 0.3% |
販売会社 |
野村證券 |
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。