格差を示す「ジニ係数」って? 日本はどれくらい?

経済格差を表す代表的な指数が「ジニ係数」です。0~1までの範囲で示される値で、0に近いほど格差が小さく、1に近いほど格差が大きいことを表しています。

OECD (経済協力開発機構)によると、2021年または最新データで比較したとき、加盟国で最もジニ係数が小さい国はスロバキア(ジニ係数:0.222)となりました。反対に最もジニ係数が大きくなった国はコスタリカ(同0.487)で、ワースト3カ国には中南米の国が並びます。

なお、日本のジニ係数は0.334で、OECD加盟国の平均(同0.315)を上回りました。日本はやや格差が大きいといえるかもしれません。

【ジニ係数の国際比較(OECD加盟国)】

※2021年または最新データ

出所:OECD Data Income inequality

日本のジニ係数についてもう少し詳しく見てみましょう。厚生労働省の「厚生労働白書(令和2年版)」によると、日本のジニ係数はこれまで上昇傾向にありました。「当初所得(※)ジニ係数」は1990年から2017年までに約0.13ポイント悪化しています。

しかし、社会保障の給付などを加味した「再分配所得(※)ジニ係数」に大きな変化は見られません。単純に考えれば、高所得者から低所得者へ所得を再分配する仕組みが機能したといえそうです。

※当初所得:雇用者所得、事業所得、農耕・畜産所得、財産所得、家内労働所得および雑収入ならびに私的給付の合計額
※再分配所得:当初所得から税金、社会保険料を控除し、社会保障給付(現金、現物)を加えたもの

【日本のジニ係数】

厚生労働省「令和2年版厚生労働白書」より著者作成

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なお、当初所得ジニ係数は高年齢層で大きい傾向にあります。所得の再分配で改善されているとはいえ、経済格差は高年齢層の方が深刻なのかもしれません。

【日本のジニ係数(2017年、年齢階級別)】

厚生労働省「令和2年版厚生労働白書」より著者作成

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