アクティブファンドの特徴
アクティブファンドは、投資信託の一種であり、ファンドマネージャーが選別した銘柄を株式や債券などに投資するものである。アクティブファンドは、投資戦略や投資対象を明示したものが多くあるので、投資家は自分の共感できる投資方針を掲げるファンドを見つけやすいという魅力がある。また、アクティブファンドは、インデックスファンドよりも、特定の企業や業界に集中投資するので、高いリターンが期待できる。
ただ、アクティブファンドには、デメリットもある。アクティブファンドは、企業調査や分析などを行うためにコストがかかるため、インデックスファンドよりもコストがかかることが多い。日本経済新聞の調べによると、アクティブファンドの信託報酬は平均1.1%程度で、指数連動のインデックスファンド(0.4%程度)を上回る。また、アクティブファンドのパフォーマンスは、ファンドマネージャーの投資能力や投資判断に左右されるため、市場全体の指数と比較して低いパフォーマンスになる場合もある。したがって、アクティブファンドを選ぶ際には、自分が投資する目的やリスクに応じて、アクティブファンドの特徴やメリット・デメリットを理解し、適切なファンドを選択することが重要である。
2023年もバリュー株優位の展開か
外国株のアクティブファンドは運用を外部委託するケースが多いものの、国内株のアクティブファンドは国内系運用会社のファンドマネージャーがしのぎを削っている。2022年はグロース株よりもバリュー株が優位だった。グロース株とは、市場平均よりも株価が高く、業績が成長している株のことをいう。グロース株は、売り上げや利益が今後成長すると高く期待されている銘柄である。一方のバリュー株とは、「割安株」とも呼ばれ、本来の持っている価値に比べて、株価が低いと思われる銘柄のことを指す。具体的には、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの投資尺度から見て、株式市場の平均値や同業他社と比べて割安と判断される銘柄や、過去の株価水準から見て、現在の株価が低いと考えられる銘柄のことである。
株価が軟調な局面では、業績や配当の安定性など、高配当銘柄に注目が集まりやすく、高い配当利回りのバリュー株に注目が集まりやすくなる。TOPIXバリュー株指数は11月25日に2145.22ポイントまで上昇し、年初来高値を更新した。TOPIXバリュー株指数は2021年末から11月末まで約8%上昇し、TOPIXグロース株指数の約7%下落に比べて堅調に推移している。2023年も米国を中心に外部環境の不透明感が強く、グロース株よりもバリュー株優位の展開が続く可能性は高いと考えている。