インデックスとアクティブ、ふたつの良いとこ取りをした「最強のミックス投資」を実現する

元々、投資信託はアクティブファンドだけでした。

ところが、市場よりも下落したり、投資家が痛手を受けたりしたので、1976年に初めて個人投資家向けのインデックスファンドがアメリカで誕生しました。

日本では1985年からインデックスファンドがスタートしています。

今はインデックスファンドが伸びてアクティブファンドは隅に追いやられている感じですが、実は伝統的な手法なのです。

言うなれば、インデックスファンドは誰にでも愛されるファミリーレストランで、アクティブファンドは知る人ぞ知る地元の老舗レストランのようなものかもしれません。

ファミレスは安いだけでなく、老若男女に受け入れられるような最大公約数的な味を追求しています。

インデックスファンドも誰が投資しても失敗しにくいようになっていて、特別な技術はいりません。

一方、地元の老舗レストランでは、かつて一流レストランで修業を積んだシェフなどが腕を振るっていたりします。シェフは料理のことが大好きで、いつもお客さんに喜んでもらいたいと考えている。だから、寝る時間も削って、オリジナルのメニューを考えたり、料理のレベルを上げたりして研鑽を積んでいる。アクティブファンドの優秀なファンドマネージャーも、考え方はほとんど同じです。

断言できるのは、高いから美味しいというわけではないですし、安くても美味しいお店はたくさんあるということ。

それは投資信託の世界でもまったく同じなのです。

ただ、インデックスファンドよりリターンが上回っているアクティブファンドはわずかしかないという調査結果もあります。

たとえば国内外の株価指数に連動する全世界株インデックスだったら、上位銘柄にはGAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)といったアメリカの巨大ハイテク企業がずらっと並んでいます。こういった企業の株価はコロナ禍でも絶好調だったので無敵に見えます。だから、わざわざ高いコストを払ってアクティブファンドを買う必要がなかったのです。

しかし、この状況がずっと続くという保証はありませんし、どんな大企業でも栄枯盛衰はあるものです。

私としては、インデックスファンドとアクティブファンドのそれぞれによさがあるので、どちらが絶対にいいとは言えないと考えています。

投資信託の初心者はインデックスからスタートしてもいいでしょう。それだけでは物足りなくなってきたら、アクティブファンドに挑戦するのをおすすめします。

私が今まで見てきた限り、アクティブファンドにもいい商品はあります。応援したくなるような優秀なファンドマネージャーもいるので、切り捨ててしまうのは、それはそれでもったいない話です。

両方のいいとこどりをすれば、最高の資産運用をできると思います。

●買ってはいけない投資信託とは? 第3回へ続く>>

お金の不安から一生自由になれる考えない投資生活

 

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