苦しくなった楽天モバイル

大手の格安プラン導入は私たちにとってうれしいニュースですが、楽天モバイルは苦々しく思っているかもしれません。

モバイル通信事業(MNO)に新規参入した楽天モバイルは、これから顧客を獲得する時期でした。2020年4月に低価格を武器にした「Rakuten UN-LIMIT」で取り込みを図りますが、1年もしない間に大手3社がそろって格安プランを導入したことになります。価格に対する訴求力が相対的に下がったことで、楽天モバイルの顧客獲得は厳しいものになったと言わざるを得ません。

楽天モバイルは基地局の設置や広告といった先行投資が続いており、楽天グループには費用負担が重くのしかかっています。今期の第3四半期において、同社は「モバイル」セグメントで3800億円以上の赤字を計上し、全体でも2580.9億円の純損失となりました。通期の業績予想は開示していませんが、厳しい状況が予想されます。

【楽天グループの業績】

※2022年12月期(予想)は、第3四半期時点で開示されていない

出所:楽天グループ 決算短信より

【楽天グループの株価】

Investing.comより著者作成

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