今後、気になる主要サブスクの新しい動きとは
それでは、今後、これらのサブスクリプションサービスにどんな動きがあり、どんなコンテンツやサービスが期待できるだろうか。気になる点も含め、探ってみた。
・Amazon Prime Video
大ヒット作『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの続編をオリジナルドラマとして配信。2023年にはキアヌ・リーブス主演の『ジョン・ウィック』前日譚のドラマ配信も予定されている。ただ、Amazon(アルファベット)自体の決算は思わしくなく、さらに輸送コストの高騰や円安もあり、日本での500円という割安な月会費が今後維持できるかどうかが気になる。
・Netflix
広告付き低価格プランがどれだけ伸びるかが最大の注目点。日本のユーザーはすでにYouTubeやTver(地上波テレビ番組の無料見逃し配信サービス)で広告挿入動画には慣れており、低価格志向の強い若年層へはフィットしそうだ。12月には元007俳優ダニエル・クレイグ主演のヒット映画『ナイブズ・アウト』の新作『ナイブズ・アウト グラス・オニオン』の独占配信が控えており、世界的にも巻き返しが期待される。
・Hulu
世界有数の配信サービスとして、『ハンドメイズ・テイル』などの良質なオリジナルドラマや、米テレビ局製作の人気ドラマをいち早く配信。国内での事業は日本テレビ放送網傘下のHJホールディングスが継承し、日テレ系のバラエティやドラマのスピンオフ等を配信している。2023年には山下智久の海外ドラマ初主演作『神の雫/Drops of God』も独占配信予定で、日本の視聴者にも訴求しそうだ。本国ではDisnyとの統合が検討されているため、日本法人の対応が気になるところ。
・U-NEXT
20世紀スタジオの作品を提供できるDisney+に対し、WB(ワーナーブラザーズ)作品を優先的に配信しているU-NEXT。最短では劇場公開終了から10日ほどという新作配信のスピードと、ポイント制で余ったポイントを持ちこして翌月以降に新作視聴に使えるなど独自のシステムに強みがある。また、今年から配信サービスで貯めたポイントをTOHOシネマズのチケット購入に利用できるようになった。主要サブスクでは唯一、成人作品の配信も解禁している。
・Disney+
20世紀スタジオが傘下にあり、ピクサーやルーカスフィルムの作品を配信できるなど、後発ながらコンテンツ豊富。マーベルやスターウォーズシリーズのスピオフなど単体のサブスクサービスでは太刀打ちできない幅広い新作群を配信する。『インディ・ジョーンズ』シリーズのドラマ化が検討されていることも米バラエティ紙でスクープされた。12月8日には米国で広告付き低価格プランの導入が始まり、Netflixへの追い上げは確実となりそうだ。