習政権の「経済政策」に注目

習近平政権下の中国共産党は、過剰なIT企業叩きを行ってきたことで知られる。

ジャック・マー氏が率いる中国版Amazon「アリババ」や大手IT・ネットサービスの「テンセント」、タクシー配車アプリを手掛ける「ディディ」といった企業が、独占禁止法などの法律に抵触したとして、これまで50件を超える規制措置を取られている。

コロナ禍以降は、大々的な都市封鎖や行動制限を伴う「ゼロコロナ政策」を推し進めたことも記憶に新しい。この政策は、完全に新型コロナウイルスを封じ込めることができないまま中国国内に消費の低迷を招いたとされている。

これらの政策を考えると、習近平国家主席にとって自国経済の優先度は、他の先進国ほど高くはないという見方ができる。その点は、投資家がこれからの中国経済の道筋を予測する際の重要な要素だろう。

3期目にして、これまで以上に強い権力を掴んだ習近平政権。中国国内だけでなく世界経済にどのような影響を及ぼしていくのかに注目していきたい。