外国債券の純資産残高上位ファンドは毎月分配型が多い

外国債券型ファンドは毎月分配型(毎月決算型)が多い。1990年代後半から2000年代前半は、2005年に廃止となった「マル優(少額貯蓄非課税制度)」の受け皿として、毎月分配型の債券ファンドが多く設定されたからだ。「マル優」は、65歳以上の高齢者の銀行預金や郵便貯金、国債などの利子が元本300万円まで非課税になる制度である。「マル優」の資金の受け皿として定期的に分配金が受け取れ、年金以外の定期収入が得られるという高齢者のニーズを満たした外国債券の毎月分配型ファンドに人気が集まったのである。

2022年10月末時点における純資産額上位10ファンドは、以下の通り。

出所:三菱アセット・ブレインズ提供のデータを基に編集部作成

この中から、注目ファンドを2つ紹介する。

グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)

外国債券型ファンドの純資産残高1位は、「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」だった。同ファンドは、世界主要先進国の、信用力の高いソブリン債券に投資する外国債券型ファンドである。ソブリン債券とは、各国の政府が発行する国債や、政府機関が発行する政府機関債などのことである。同ファンドは1997年12月に設定され、毎月分配型の代表ファンドとして2008年には純資産残高が5兆円を超えるなど、2000年代はトップの座をキープしていた。しかし、より利回りの高い米国REIT型ファンドや低コストの株式インデックスファンドに資金が集まったことや、金融庁が毎月分配型ファンドを「顧客本位ではない商品」と批判したことから、同ファンドの純資産残高は3000億円前後まで減少している。ただ、20年以上の実績があり、設定来騰落率は96.8%となっている。長期で安定的なリターンが期待できるファンドとして、もっと注目されてもいいだろう。

■グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)
基準価額 5073円
信託報酬 1.375%(年率・税込)
純資産残高 3076億700万円


1カ月 2.4%
3カ月 0.6%
6カ月 2.5%
1年 1.5%

(10月末時点)

ハイグレード・オセアニア・ボンド・オープン(毎月分配型)

純資産残高3位の「ハイグレード・オセアニア・ボンド・オープン(毎月分配型)」は、オーストラリア・ドル建ておよびニュージーランド・ドル建ての公社債等に投資する毎月分配型ファンドである。ポートフォリオの最終利回りは4.1%で、格付けは「AAA(トリプルA)」が64.7%、「AA(ダブルA)」が35.3%となっている。州債券や政府機関債といった格付けの高い債券に投資しており、同ファンドが投資している債券の安全性は高い。今後も安定的な利回りが期待できるファンドとして注目だ。

■ハイグレード・オセアニア・ボンド・オープン(毎月分配型)
基準価額 5145円
信託報酬 1.375%(年率・税込)
純資産残高 1361億円


1カ月 1.9%
3カ月 -1.0%
6カ月 1.3%
1年 2.5%

(10月末時点)