日本株の中小型株式ファンドの魅力

中小型の個別株を取引するのはリスクが高いので、複数の銘柄に分散投資できる中小型株式ファンドがおすすめだ。

日本の中小型株式ファンドとは、主に日本国内の中小型株に投資するファンドのことである。中小型株は、大型株に比べて時価総額が小さいため、値幅が比較的大きくリスクが高いといわれるが、実際には、投資信託全体の中で優れたパフォーマンスをだしている中小型ファンドも少なくない。

2022年9月末時点における日本株の中小型株式ファンドのリターンランキング上位と、純資産残高上位ファンドは、以下の通り。

出所:三菱アセット・ブレインズの提供データを基に編集部作成

国内で見逃されている中小型株が多い理由

国内では見逃されている中小型株が多い。運用会社のアナリストがカバーしていない中小型株も多く、投資先としての中小型株に関する調査が不十分だからだ。その結果、中小型の優良企業や業績が好調な企業が見落とされ、株価の極端なミスプライスにつながっている場合もある。

また、日本の中小型株が見過ごされる理由として、日本の中小型株は内需型企業が多い点もある。日本の国内市場は、長引くデフレ経済と少子高齢化で成長力に乏しいと見られているため、なおさら調査しにくいのだ。

さらに、中小型株式ファンドは、パフォーマンスが良くても、純資産が増えない傾向がある。金融機関が顧客に基準価額の上がっている投資信託の解約を促し、その売却資金で新規設定されたファンドを購入させることがあるからだ。

欧米では基本的に長期的な運用歴を持つファンドほど人気がある。日本でも、長期でのパフォーマンスがいいファンドが評価されるという当たり前の市場になることが必要だ。