FPなど新たな相談ニーズが高まるも、安心できる制度整備が必要に
理由として考えられるのは、年齢階層が上がるほど投資経験が長くなり、敢えて証券会社のアドバイスなどを必要としなくなるのか、それとも過去に証券会社のアドバイスを受けて投資して失敗したのか、よく分かりませんが、いずれにしても4割前後の人たちは、証券会社からのアドバイスを必要としていないのは事実です。「手数料商売の証券会社がアドバイスをしても利害相反になる」という事実が、個人の間に浸透してきているのかも知れません。
かといって、アドバイザーの存在が不要というわけではなく、個人が長期的な資産形成を目指すうえで、一緒に伴走してくれるアドバイザーの存在は必要と思われますが、それを証券会社の営業担当者が担う時代ではないということです。その点では、恐らく今後、IFAやFPに対するニーズは、高まっていく可能性があります。
ただ1点だけ、注意したいことがあります。それは、金融のプロを称しているアドバイザーでも、優秀な人からそうでない人まで、さまざまだということです。
かつてFP資格を持った複数のFPが、海外ファンドの販売仲介で業務停止を受けた業者を、サイトなどでほめちぎる、広告塔まがいのことをしていました。この業者は、金融庁から6カ月間の業務停止処分を受けましたが、広告塔まがいのことをしていたこれらFPたちは、今ものうのうと個人の相談業務に従事しています。
個人が安心して相談に乗れるアドバイザーを増やすためには、過去において、あるまじき行為をしたアドバイザーを対象にして、そのライセンスを剥奪するといった処置も、検討する必要がありそうです。