42.3%は証券会社のアドバイスは必要ないと回答

今回の調査結果では、NISA口座の利用状況などNISAに関連する内容が10ページ程度にわたって掲載されており、全体の中心テーマの印象を受けますが、それ以外にも証券の保有状況と投資に関する考え方や、金融機関の満足度、金融に関する知識の現状、ESG投資の認知状況などのアンケート結果も掲載されています。これら、NISA制度に関するアンケート以外の項目で注目したいのが、「証券会社等からの助言・情報提供サービス」です。個人が、証券会社等に対して希望する助言・情報サービスは何かを聞いたもので、全年齢層の回答は以下のようになります。

「ライフプランに沿った中長期の資産形成に関する提案、助言又は情報提供」が23.0%、「税制・相続に関する提案、助言又は情報提供」が22.4%、「期待リターンの高い金融商品の提案、助言又は情報提供」が22.4%、「売れ筋の金融商品の提案、助言又は情報提供」が20.6%、「資産配分の提案、助言又は情報提供」が18.5%、「類似する複数の金融商品の比較提案、助言又は情報提供」が14.2%、「その他」が1.3%、です。

この結果を踏まえて、同調査結果では、「ライフプランに沿った中長期の資産形成に関する提案、助言又は情報提供」、「税制・相続に関する提案、助言又は情報提供」、「期待リターンの高い金融商品の提案、助言又は情報提供」がトップ3であることを指摘しているのと同時に、若い層ほど「ライフプランに沿った中長期の資産形成に関する提案、助言又は情報提供」を希望する傾向が強いと指摘しています。

確かに、上記の数字を見る限りではそうなのですが、証券会社にとっては不都合な数字も同時に公表されています。それは「提案、助言又は情報提供を受けたい内容はない」という回答比で、全体では42.3%がそう答えています。

つまり、最も回答比が高いのは、「証券会社にアドバイスを受けることは何もない」という事実なのです。

全体の数字だけでなく、年齢別でみても最も高いのが、この回答でした。つまり、すでに有価証券投資を経験している人たちは、証券会社からアドバイスを受けたとしても、それはどこかにバイアスがかかったものである恐れがあることを、分かっているのです。

しかも、この回答を選んだ人の割合は、年齢階層別が上にいくほど高くなります。ちなみに、

20代~30代・・・・・36.0%
40代・・・・・・・・39.1%
50代・・・・・・・・44.4%
60~64歳・・・・・・44.8%
65~69歳・・・・・・47.3%
70代以上・・・・・・44.5%

となっています。70代以上はいささか下がりますが、65~69歳までは年齢階層が上がるほど、綺麗に上昇傾向をたどっています。