実は個人投資家の投資を検討するきっかけは「NISA」が40.1%と増加傾向に

日本証券業協会が、インターネット調査による「個人投資家の証券投資に関する意識調査」の結果を発表しました。この調査の対象は、日本全国の20歳以上の証券保有者で、サンプル数は5000人です。

まず、回答者の属性から見ていきましょう。調査では年代別に分かれていますが、本稿では全体の属性を示しておきます。

【回答者の年収】
300万円未満・・・・・・・・・42.7%
300万円以上500万円未満・・・26.6%
500万円以上700万円未満・・・13.8%
700万円以上1000万円未満・・・10.7%
1000万円以上・・・・・・・・・6.1%

【回答者の金融資産保有額】
100万円未満・・・・・・・・・14.2%
100万円以上300万円未満・・・・13.3%
300万円以上500万円未満・・・・12.0%
500万円以上1000万円未満・・・16.0%
1000万円以上3000万円未満・・・25.3%
3000万円以上・・・・・・・・・19.2%

協会がとりまとめた「調査結果の主なポイント」について、簡単にまとめると、まず投資の考え方として、有価証券投資への興味・関心や検討のきっかけとして、「投資に関する税制優遇制度(NISA・つみたてNISA・確定拠出年金)があることを知った」と回答した人が前年調査の37.6%から40.1%に増加しました。

また調査対象者のうち、一般NISA口座開設者の割合は50.9%で、2015年調査以降50%以上が口座を開設している状況が続き、つみたてNISA口座開設者の割合が年々増加傾向にあり、前年調査の21.1%から26.2%に増加しました。2022年に投資を開始した人の77.1%が、一般NISA口座またはつみたてNISA口座を開設しており、その割合が2021年に投資を開始した人を大きく上回ったということです。

NISA制度に関しては、金融庁が2023年度の税制改正で、制度の恒久化を含め、制度の抜本的な改革を行うという方針のようなのですが、聞くところによると、実はシステム対応が間に合わないのではないか、という声も上がっています。もしシステム対応が間に合わないとなると、2024年からの新制度へのスムースな移行にも支障を来します。この点、これからどのような落しどころを策定するのか、興味深いところでもあります。