全路線で赤字? 地方路線の厳しい現状

先日、JR四国が全路線で営業赤字(2020年度)と発表したニュースが話題を集めました。同じくJR北海道も、区間別の収支の公表を始めた2014年度から直近の2021年度まで、全路線で赤字となっています。JR貨物を除き、両社がJR系列で唯一上場していないのは、収益力の弱さが理由にありそうです。

もっとも他のJR各社も、新型コロナウイルスの感染拡大以降収益に陰りがあり、特に利用者が少ない地方路線ではうまく収益を稼ぐことができていません。

※JR東海は線区別の収支を公表していない

出所:各社のリリースより

路線の収益率を示す数値を「営業係数」といい、これは運輸収入100円を得るために要する費用を示しています。例えば2020年度におけるJR東日本の「陸羽東線(鳴子温泉・最上間)」における営業係数は22149でした。これは100円の収入を得るために2万2149円の費用がかかるということです。同路線の利用者は1日平均41人にとどまり、4億8900万円の営業赤字を計上しました。

鉄道は重要なインフラであり、赤字だからといって簡単には廃線できません。赤字路線問題は、今後も鉄道会社の悩みの種となりそうです。