今の貯金200万円は生活防衛資金に。正看護師になったらiDeCoとつみたてNISAを

文香さんが通う看護学校生の多くは、准看護師として病院で働きながら正看護師を目指しています。授業や実習は週3日、平日の昼間にあるため、勤務先に勤務日を調整してもらうのです。文香さんは県の看護師の奨学金を利用して、貯金と合わせて学費をまかなっています。正看護師になってから、一定の年数の就労を条件に奨学金の返済が免除されます。正職員の看護師として働く場合の年収は、今の勤務先で約300万円の見込みです。

正看護師になってからのマネープラン

現在は、元夫からの養育費と自分の給料(年収約150万円)で毎月の収支はトントンの文香さんですが、正看護師になってからのマネープランが大切です。

ちなみに、文香さんの現在の資産は、約200万円の預貯金しかありません。これは、いざというときの生活防衛資金として定期預金などで持っていたいところです。

今のところ生活費の多くは元夫からの養育費でまかなえているので、正看護師になって、収入が増えた分は子どもの学費と自分の老後資金準備に充てられます。

今まで全く投資経験のない文香さんですが、将来のためにつみたてNISAとiDeCoは利用したいところです。つみたてNISAは年に40万円まで買付けられ、積み立てた資産の引き出しは自由です。教育費はつみたてNISAをメインに準備するとよいでしょう。

iDeCoは公的年金の上乗せ制度で、勤務先に企業型確定拠出年金や他の企業年金がない場合、毎月の掛金上限は2万3000円です。iDeCoの資産は60歳まで引き出しができません。しかし、老後資金準備が必要な人にとっては、資産が守られるとも考えられます。

文香さんのような初心者はまず、つみたてNISAとiDeCoを少額から始め、値動きに慣れたら上限まで積立金額を増やすのがおすすめです。2つの制度の上限以上に資金ができた場合は、特定口座での投資信託の積立や、個人向け国債などを買付けてもよいでしょう。

貯められるのは子どもが小学生のうちと心得る

子どもが中学生になると、部活動や塾代などの支出が増えます(食費もかかるようになります)。徐々に家計から運用に回せるお金も少なくなると想定しておくべきです。文香さんが正看護師になる頃、長男は中学生になっています。次男が小学生のうちに、できるだけ余裕資金を運用に回すように心がけましょう。