しかしながら、見方を変えれば、それは日本株が強烈なポテンシャルを秘めているとも言えます。現預金の利息はゼロ、株式は配当だけで2%のリターンがあります。これに値上がり益を考慮すれば、長期的に株式に妙味が大きいのは明らかです。日本人の家計の中で75%弱を占める現金・預金の一部が株式市場に流れ込めば、日本株の上昇に相当なインパクトを及ぼすはずです。

NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度の後押しもあり、ここに来て株式投資を始める人が目立って増えています。これら積立投資口座は1200万口座に達し、はずみがついています。その流れが本格化すれば、日本株の上昇はいっそう勢いを増すでしょう。

本書では射程範囲に入っていることが確実視される日経平均4万円をターゲットに定めていますが、大挙して個人投資家が動き出せば、その程度では止まらないはずです。リーマン・ショック時の底から12年間で日経平均株価が4倍(年率13%)になったわけですから、今回の長期上昇トレンドも同じペースで進行すれば、10年後に日経平均10万円到達も考えられないシナリオではありません。

 

日経平均は4万円になる!

 

武者陵司著
発行所 宝島社
定価 900円+税