2ヵ月連続で企業倒産件数が増加
そういった状況の中、注意しなければならないのが「ゼロゼロ融資」の返済がこれから本格化するということだ。「ゼロゼロ融資」は新型コロナウイルス感染症の影響で売上が減った企業に対して、実質無利子・無担保で最大3億円融資する仕組みで、20年3月から政府系金融機関、5月からは民間金融機関(現在は取り扱い終了)で取り扱いが始まった。同融資は返済が滞っても、元本の8割か全額を政府の財源を裏付けとした信用保証協会が肩代わりし、最初の3年間は利子が免除される特徴を持つ。逆を言えば、早ければ23年3月から利子の支払いが発生するため、負担を軽減するためにも企業によっては返済が始まっており、これから本格化するとされている。
帝国データバンクの「全国企業倒産集計 2022年上半期報・6月報」によると、減少傾向が続いていた倒産件数は、5月が前年同月比12.1%増の517件、6月は同1.3%増の544件と2ヵ月連続で増加した。22年4―6月期はコロナ禍後、四半期ベースで初めて前年同期を上回った。
同レポート7月報によると7月も同1.8%増の499件で、2年3ヵ月ぶりの3ヵ月連続で増加。建設業や運輸・通信業、サービス業、不動産業とその他業種で増加した。一方、製造業、卸売業、小売業は減少した。件数別では、サービス業が123件で最多、95件の建設業・小売業と続いた。倒産の主要因では、販売不振を中心とした「不況型倒産」が402件と構成比80.6%を占めた。業歴別では、「30年以上」が149件と最多で、「100年以上」の老舗企業の倒産も7件発生した。