サブスクやクラウド事業など本業以外も要注目
これまで紹介したGAFAMの2022年第2四半期決算は、いずれも減収・減益、あるいは市場予想に届かないケースに当てはまった。そのため、2021年第4四半期〜2022年第1四半期の決算に引き続き、全体的に低調な結果だったといえるだろう。
業績の下押し要因として5社に共通しているのは、将来の潜在的な需要をコロナ禍で早期に消化してしまったこと。ここにドル高、サプライチェーン問題などの外部要因も重なり、需要と供給の両方で低成長に拍車がかかったと考えられる。
これらは多くのテクノロジー企業に共通する課題だ。例えば米半導体大手のエヌヴィディアも今回の決算において、電子部品の需要が過去2年間と比べて著しく減少していることを示唆した。また、米EV大手テスラはサプライチェーンの混乱を受け、上海において生産調整を実施。今回の決算では売上高が前年同期比でマイナスになるなど業績に響いた。
投資家はテクノロジー企業が抱えるこうした課題について、コロナ禍などにまつわる一過性の現象なのかどうか、慎重に見極めていく必要があるだろう。
一方でGAFAMの決算においては、本業とは異なる定額あるいは従量課金制を敷くソフトウェア関連サービスの躍進が目立った。モバイル機器の販売やネット広告などの収益に頭打ち感が出ている今、継続的な収益が見込みやすい新たなビジネスモデルが、引き続き成長していけるかにも注目したい。