値上がり上位10項目は資源・エネルギー、食品に集中

では、値上がりを実感している商品・サービスは何なのでしょうか。これについては上位10項目が示されています。それによると、

電気料金・ガス料金・・・・・・56%
ガソリン・・・・・・・・・・・48%
食用油・・・・・・・・・・・・38%
食パン・菓子パン・・・・・・・36%
小麦粉・・・・・・・・・・・・33%
ドレッシング・マヨネーズ・・・32%
カップ麺・チルド麺・・・・・・26%
パスタ・パスタソース・・・・・23%
菓子類・・・・・・・・・・・・22%
ハム・ソーセージ・・・・・・・20%

以上の順番になっています。上位10項目はすべて資源・エネルギー関連と食品関連に集中していることが分かります。

これは、消費者物価指数の上昇の中身についても言えることです。6月の消費者物価指数は前年同月比で2.4%の上昇でしたが、このうち5割が資源・エネルギー価格の上昇によってもたらされたものであり、残りの4割が食品価格の値上がりによるものでした。

つまり消費者物価指数の上昇率の大半が、資源・エネルギー価格と食品価格の値上がりによって影響されたものなのです。

これは2つの問題を内包しているといっても良いでしょう。

第一に、資源・エネルギー価格と食品価格以外の財やサービスに関しては、ほとんど値上がりしていない、つまり価格転嫁が進んでいないことを意味します。

日銀が8月10日に発表した企業物価指数は、前年同月比で8.6%の上昇になりました。前年同月比でプラスになったのは17カ月連続です。

企業物価指数とは、企業間で売買される物品の価格水準を測るためのものです。企業物価指数が8.6%上昇しているのに、消費者物価指数が2.4%の上昇というのは、大雑把に言うと、企業が製品やサービスを生み出す原材料の価格が8.6%も上昇しているのに、実際に店頭などに並べる時の値段は2.4%しか上げられていない、つまり価格転嫁が進んでいないことを意味します。

しかも前述したように、消費者物価指数の上昇分に占める9割が、資源・エネルギー価格と食品価格の上昇分で占められているのですから、それ以外の製品やサービスについては、全くといって良いほど価格転嫁が進んでおらず、企業の利益がどんどん削られていきます。つまり企業業績が悪化する恐れがあります。