注意すべきは、急激な環境の変化による喪失感

65歳でお辞めになるつもりだったところでの週3回の延長勤務のお話、どうしたらいいか迷うところでしょう。

大学卒業以来、これまで月曜日から金曜日まで(場合によっては土日祝日も)会社に行っていたところ、65歳で完全にお辞めになると、それが突然なくなってしまいます。そうして急にできるのが、自由時間です。

ご家族と過ごす時間もあると思いますが、それ以外で自由時間をどのように過ごすかというところ。これまで以上に趣味のゴルフを楽しむ時間も取れるようになるでしょう。しかし、趣味とはたまにやるからこそ楽しめるもの。平日だけでなく土日も含め、毎日ゴルフやその練習を続けていると、いずれ飽きてくるかもしれません。また、当然のことながらゴルフにはお金もかかってしまい、あまりゴルフに費やすと家計に影響を与える可能性もあります。

そうなると、これまで生活も人間関係も会社中心だったからこそ、余った時間をどのように過ごしたらよいか分からなくなるかもしれません。会社中心の生活から自宅中心の生活へとなると、急激な環境の変化です。出勤する会社がなくなった喪失感も大きいかもしれません。

完全リタイアまでの移行期間の過ごし方が大事

そのような中で65歳から70歳までの5年間はアルバイト契約で、厚生年金や健康保険など社会保険も加入して勤務できるとのこと。5年間週3回アルバイト勤務をすれば、引き続き給与収入を得られるだけでなく、65歳で完全に退職する場合と比べ時間を持て余すことも少ないでしょう。引き続き勤務する体力はあるとのことですので、週3回勤務も無理のない範囲の勤務と言えるのではないでしょうか。

それでも、フルタイム勤務から週3回勤務になるため、会社に行かない日が今よりは増えることにはなります。70歳までの5年間、会社に出勤しない日でゴルフ以外の新しい活動を見つけたり、会社外の新しい人間関係を広げたりしながら、70歳以降の生活に向けて備えるのがよいでしょう。70歳を「完全リタイア」の時期と定め、65歳から70歳までの5年間はその時に向け、徐々に慣らしていくための移行期間と位置付けてみるということです。この5年間を有効に使えれば70歳以降も充実した日々を送ることができるでしょう。