中立的な資産アドバイスのプロを探せるインフラの整備が急務

今回のアンケートで良かったと思える点は、「定年退職前から継続的に投資を行っている」割合が、年々上昇傾向をたどっていることです。

2007年以前・・・・・・39.7%
2008~2012年・・・・・・41.7%
2013~2017年・・・・・・45.4%
2018~2022年・・・・・・51.0%

というように推移しており、直近の2018~2022年に定年退職を迎えた人においては、実に半数超の人が、定年退職前から継続的に投資を行っていることがわかりました。

昔は、現役時代にはいっさい投資などすることがなく、定年を迎えて受け取った退職金を投資に回し、不幸なことにそのお金を株価の下落などで半減させてしまったといった、悲劇的な話もよく聞こえてきたものですが、投資で資産を増やすためのコツは、一朝一夕で身に付くようなものではありません。だからこそ投資信託でプロに運用を任せるという選択肢もあるわけですが、なかには株式投資やFXなどで運用する人もいます。この手の、自分で投資先や売り場、買い場を判断しなければならない投資対象で資産を運用するためには、定年からのスタートでは遅すぎるということを、申し上げておきたいと思います。

こうしたなかで、同レポートでは「定年退職者層の行動変化は、定年退職層が金融機関に求める期待の変化にもつながっている」と指摘しています。簡単に要約すると、「退職金の受給時に金融機関に退職金運用の相談やセミナーに参加する人の割合が、多少、減少傾向にあるものの、大きく減少していない。依然として根強いニーズが確認される」ということですが、この点については、これから定年退職を迎える人たちは特に、認識を新たにする必要があります。

そもそも金融機関は、投資信託や債券、その他の投資商品を販売して、そこから手数料を得ています。合理的な資産形成をするためには、時には「何もしない」という判断も必要ですが、一部の金融機関の考え方として「売ってナンボ」ですから、窓口で相談しに来た人たちの都合、つまりリスク許容度や市場環境などを考慮することなく、自分たちの売りたい商品を勧めてくるところもあります。つまり金融機関の販売担当者のアドバイスには、ある程度のバイアスがかかっている恐れがあることを、理解しておく必要があります。

出来れば「中立的な立場で資産運用アドバイスができるプロ」からのアドバイスを受けることを考えてみてはいかがでしょうか。その意味では一般消費者が、資産運用に関して高度な知見と経験を持ち、本当の意味で顧客サイドに立ったアドバイザーを探すことのできるインフラの充実化が必要ではないでしょうか。