詐欺の典型「ポンジスキーム」の手口とは?
安愚楽牧場のケースは、出資金のほとんどを配当金と解約金に充てていたことから、詐欺ではないようにも見えます。しかし、中には最初からお金を奪う目的で近づいてくる悪質なケースもあるため注意しなければいけません。
典型的な詐欺の手法に「ポンジスキーム」というものがあります。ポンジはこの手法を考え付いたとされるイタリア人の名前、スキームは手法といった意味です。高額な配当をうたうことが多く、その点では販売預託商法に似ています。
「毎月5%(年利60%)の配当」をうたうポンジファンドを例に、ポンジスキームの手口を押さえましょう。
まず、ポンジファンドは優れた運用とそれに基づく高額配当をうたい、出資を募ります。これにだまされたAさんが100万円を出資するとしましょう。ポンジファンドは、Aさんが支払った100万円を取り崩し、Aさんに配当金として5万円を支払います。実際に5%の配当金を受け取れたことから、Aさんは「運用がうまくいっている」と思い込み、ポンジファンドに資金を預け続けてしまうでしょう。
ポンジファンドは運用しないわけですから、この配当を続けると20カ月目で資金が必ずなくなります。配当金がなくなればAさんは解約を申し出るかもしれません。ポンジファンドは集めた資金を取り崩して配当金を出しているにすぎないため、Aさんは出資額を取り戻すことは不可能です。Aさんが解約を申し出ればポンジファンドの詐欺が露見するでしょう。