ヘッジファンドの多くは「私募」形式で資金が集められます。これは数を限定して投資家を募る方法で、通常の投資信託と異なり一般的な金融機関では販売されません。形態もさまざまであることから、正規のヘッジファンドと見分けることが困難です。また金融庁に登録がないヘッジファンドがあることも、詐欺との区別を難しくしているでしょう。

ヘッジファンドと詐欺を見分ける1つの目安に出資額があります。私募型のヘッジファンドは多くの投資家を募れないことから、1人あたりの出資額がある程度大きくないと、まとまった運用資産を用意できません。一概にはいえませんが、最低でも数千万円から数億円の出資が求められることが多いでしょう。少額の出資を受け入れる場合、詐欺を疑った方がよいかもしれません。

仲介者を利用する方法もあります。通常、銀行や証券会社はヘッジファンドを扱いませんが、富裕層向けのサービスでヘッジファンドを扱うケースはあります。また、ヘッジファンド専門の証券会社やプライベートバンカーなどはヘッジファンドを扱うケースが少なくありません。国内の仲介者は基本的に金融庁に登録しその監督を受けているため、詐欺的なファンドに出会う可能性は低いでしょう。

ヘッジファンド自体は機関投資家も利用する運用方法です。もしヘッジファンドに資金を預けたい場合、これらの方法を検討してみてください。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。