「巣ごもり老化」を防げ
筋力低下は「体」の機能低下の1つですが、巣ごもり生活で衰える機能は、体だけではありません。たとえば「脳」の機能も低下します。
巣ごもり生活を続けていると、人とのコミュニケーションが希薄になります。また、外部からの刺激も減るため、認知機能が低下していきます。つまり、ボケやすくなるということです。
さらに、自由に外出できないストレスや、コロナ禍がいつ終息するのかわからないといった不安感から、睡眠障害やうつなどの症状が出てくる人もいます。巣ごもり生活は「心」の不調ももたらすのです。
このように、コロナ禍の巣ごもり生活は、体と脳と心の機能低下、わかりやすくいえば「老化」を進めます。これを私は「巣ごもり老化」と呼んでいます。
巣ごもり老化は体・心・脳のそれぞれに影響を与えますが、3つのうち、どれか1つでも欠けてしまえば、私たちは健康に過ごすことはできません。
もっとも深刻なのは、運動不足による体の機能低下です。足腰の筋力が低下して歩くのがおっくうになれば、コロナが終息しても、自宅にこもりがちになる人が増えてくるでしょう。