人の役に立てばお金はついてくる

このように仕事をする上でお金の流れを知っておくことは大切ですが、だからといって私はお金をあまり重要視していません。

私にとって仕事とは、実績やお金をつくるためにすることではないから。私は「人の役に立つことと、人が喜んで自分も楽しめること」が仕事だと考えています。そして、私はお金を「感謝の印」「人の役に立ったお礼」だととらえています。

ビジネスとお金の切っても切れない関係を意識しているかぎり、お金は自然とついてくるもの。人の役に立とうとする姿勢でいると、「もっとこうしてみたらどうかな」「これを始めたら、いろんな人が喜んでくれるかも!」など、自然とクリエイティビティが発揮されます。そして、それを実行に移した結果としてお金が入ってくるのです。

私も過去を振り返れば、お金を目的に働いてしまったことが一度もなかったわけではありません。でも、そのときよりもお金を目的にしていない現在のほうが、自分に入ってくるお金は明らかに大きくなりました(ちなみに、そのぶん出ていく金額も大きくなっていますが、循環させるお金が増え、さらに社会貢献できるようになったととらえています)。

とは言え、「年商○万円を目指そう」とか「サロンを○店舗にしよう!」と数字だけを追っていたことはありません。目の前のお客さまに全力で応えていった結果として、提供したいと思うメニューがどんどん増えていき、あるときから自分一人の体では足りなくなり、人を増やし、店舗数を増やし……というように展開していったのです。

また、クリエイティブに働くことにより得られる報酬はお金だけではありません。人に認めてもらえることもそのひとつですし、人間関係がよくなる、仕事を楽しく感じるなど、目に見えないことも報酬のうちです。頑張ったことへの対価はたくさんあるのです。これまでの経験上、そのように大きくとらえて動いたほうが、結果として入ってくるお金も大きくなると実感しています。

お金を目的にせず、人のためになることを意識して動けばお金が増える。

これは、私のような起業家やフリーランスの方だけでなく、会社員の方でもまったく同じです。なぜなら、経営者や上司から見てついお給料をアップしたくなってしまう人は、人の役に立とうとする気持ちが強いから。

私自身はショップ店員の時代から、このことを心がけていました。

「意外!」と言っていただけることが多いのですが、私は身長が150センチしかありません。日本人の女性としてもかなり小柄なほうで、洋服をかっこよく着こなすことが仕事のひとつでもあるアパレル店員としては致命的です。そこで私は知恵を絞りました。

「モデル体型のスタッフとは違うところでお客さまの役に立てないかな?」と考えたのです。

具体的には、小柄であることを逆手に取って、「私みたいに小柄な人でも上手に着られる服です」「全体のバランスがよく、身長が高く見えやすくなるコーディネートです」といった提案をしてみました。すると、小柄なお客さまから支持していただけるようになり、結果的にお給料アップにもつながったのです。

つまり、人の役に立ちたいと考えると自然とクリエイティビティが発揮され、それがお金を生むのです。