「長期投資コミュニティ」を設立し、機関投資家、個人投資家の満足度向上へ

二番目に取り組みを強化したいのは、受益者である機関投資家、個人投資家の満足度を高めることです。

もちろんファンドの運用クオリティが向上すれば、自然と受益者の満足度も高まるはずですが、それ以外の面で何が出来るのか。今、さまざまな試みを検討している最中です。

たとえば長期投資のコミュニティをつくるというのも、ひとつの方法でしょう。単に運用会社と受益者の関係だけでなく、受益者同士のつながりが出来たら、どういう化学反応が起こるでしょうか。

趣味やビジネスなどさまざまなジャンルのコミュニティ、あるいはオンラインサロンなどは多数運営されていますが、資産運用、長期投資のジャンルで参加者が腰を据えてコミュニケーションできるようなものはほとんど目にすることがありません。おおぶねシリーズの受益者を中心にして、このようなコミュニティが立ち上がり、受益者間のコミュニケーションが行われるようになったらどのような世界が広がるのか、などと想像するだけでワクワクしてきます。

前回、運用の手触り感を持っていただくために、おおぶねメンバーカンファレンスを開催した話をしましたが、同じような観点で、毎年定期的に開催している「年次総会」も、さらに充実させていきたいと思います。

2021年4月、コロナ禍でなかなか開催できなかった第3回目の年次総会を開催しました。「おおぶねグローバル」の投資先であるラショナル社にご協力を仰ぎ、自分たちが受益者になっているファンドの投資先がどういうところなのかを体感していただきました。

ラショナル社は、スチームコンベクションオーブンという業務用オーブンで50%超の世界シェアを持つ、ドイツの会社です。

この会社はセールス方法が独特で「クッキングライブ」という形態をとっています。これは、世界に300人いるセールスシェフが、製品を買ってもらいたい先であるレストランのオーナーやホテル・旅館のオーナーなどを招き、実際にラショナル製品を使って調理したものを食べてもらうことでオーブンの良さを体感して頂き、販売につなげていきます。おおぶねシリーズの受益者をラショナル社の日本オフィスに招き、このクッキングライブを体験していただきました。

資先企業であるラショナル社のクッキングライブを開催し、受益者にファンドへの理解を深めてもらったNVICの年次総会

2013年から投資しているラショナル社には何度も訪問し、実際に私もラショナル製品で調理したものを食べてみましたが、実に美味しかったことを覚えています。このように「美味しい!」という感動を、受益者向けに定期的に出している運用レポートや、オンラインセミナーのみで伝えるのは限界があります。

でも、年次総会に参加していただき、実際にラショナル社の製品で調理したローストビーフなどを、その場で食べてもらえれば、ラショナル社の強みが一発で分かるだけでなく、こういう会社に投資しているおおぶねシリーズの強みも理解していただけるでしょうし、それが顧客満足度の向上にもつながると信じています。

第4回目となる今年も、9月に投資先の医療機器メーカーの施設見学会を企画しています。模擬手術室の中で、普段は絶対に手にすることがない医療機器を実際に触ってもらい、当社の技術の凄さを実感してもらいたいと考えています。