銘柄コードの付与は銘柄の識別を目的としている
ここで一度、銘柄コードがどのような役割を担っているのかをおさらいしたい。
市場全体には2022年6月時点で3800以上もの銘柄が上場している。なかには、よく似た名称の銘柄も存在しており、投資家が誤って取引をしてしまうことも考えられるだろう。そのようなトラブルを避けるために、銘柄名と銘柄コードを照合して、誤発注を防ぐことがコードのおもな役目だ。
また、かつては「2000番台なら食品業種」「自動車・輸送機は7000番台」といったように、業種に応じたコードが割り振られていた。そのため、名前を知らない企業であっても、コードを見ればどの業種に属するかを判断することが可能であった。
しかし、近年では、使用できるコードに限りが出てきたため、新規上場する銘柄は業種に関わらず、2000番台から4000番台のコードを付与されるケースが増えてきている。コードだけで業種を判断することは、以前よりも困難になってきているのだ。
英字導入はコード枯渇への対策
銘柄コードへの英字の組入れは、今回唐突に決められたわけではない。証券コード協議会は、2009年の時点で将来銘柄コードに英字を組み入れる方針を既に発表していた。
これは、コードに利用できる数字の組み合わせが、いつか枯渇してしまうことを予期していたためだ。
一度特定の番号がコードとして割り振られると、その企業が上場廃止となっても、基本的には同じ番号を新規上場企業に割り当てることはできない。そのため、上場する企業が増えていく限り、いつかは利用できるコードの組み合わせがなくなってしまう。
利用可能なコードは、1300から9999までの間の組み合わせと定められている。2017年末時点で、利用可能な残りのコードの組み合わせは2158通りあったが、2021年の末には1522まで減少した。このペースでいくと、数年後には利用可能上限に達するとみられる。
今回発表された英字の導入により、使用可能なコード数は6万通り以上に増加する。当面の間はコードが枯渇する心配はなくなるだろう。