企業年金制度には、確定給付型と確定拠出型があります。確定給付型は「給付の金額」が職能等級や勤続年数・年齢などによってあらかじめ定められている(確定している)ものです。一方、確定拠出型は「拠出金(掛金)」は確定しているものの、給付額は個々人の運用結果に左右されます。
両者は「企業年金制度」であるという点は共通していますが、制度の考え方は異なるものです。
ところが、今年10月と2024年12月に予定されている制度改正に対応するため、「確定拠出の話なのに確定給付?」という混乱が生じる可能性があります。
他制度掛金相当額のお知らせは会社員の4人に1人が手にする?
確定給付型の企業年金制度がある企業は、“社員に対し「確定給付(型)企業年金の掛金相当額」を今年10月までに周知すること”が行政から求められています。
皆さんのお手元に、「確定給付(型)企業年金の他制度掛金相当額のお知らせ」が届いたら、確定拠出年金(DC)に関係することだ、と認識しましょう。
DCの話に確定給付?と疑問に思われる方もいるかもしれません。これはDCの拠出限度額が関係してくるためですが、順を追ってご説明します。
このお知らせが届く可能性のある人は943万人(2022年3月末)と想定されます。会社員(厚生年金被保険者4,047万人)の23%にあたります。