銀行や証券会社などの金融機関に勤務し、投資信託をはじめとする金融商品の販売関連業務に携わっている人を対象とする専門誌『Ma-Do(マ・ドゥ)』。同誌では、読者である金融のプロフェッショナルの方々に「もし自分がいま買うとしたらどの投資信託なのか?」を定期的に調査している。ここでは、その最新の結果を、選んだ理由の具体的なコメントとともに紹介したい(調査実施期間:4月下旬~ 5月上旬、N=115)。

1位に並んだのは内外の株式に投資する4ファンド

今回のランキングは1位に4ファンドが、5位に2ファンドが並び、その差もわずかという拮抗した結果になった。

①アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信
  <アライアンス・バーンスタイン>
①キャピタル世界株式ファンド
  <キャピタル・インターナショナル>
①フィデリティ・世界割安成長株投信( 愛称: テンバガー・ハンター)
  <フィデリティ投信>
①ひふみプラス
  <レオス・キャピタルワークス>
⑤グローバルAIファンド
  <三井住友DSアセットマネジメント>
⑤投資のソムリエ
  <アセットマネジメントOne>

まず同率1位の1本目は、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」。AからDの4コースからなり、そのうち「Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は、純資産残高が日本最大のファンドである。4コース合わせた純資産残高の合計も3兆円を突破し、今や日本の投信市場を代表するファンドとなった。「資本がしっかりして成長が期待できる企業を長期で保有している。自分も投資したいと思う」(九州・沖縄地方の地銀・支店)。

同じく1位の「キャピタル世界株式ファンド」は、世界各国の株式等へ分散投資を行い、中長期的な成長を目指すファンド。前回に続き今回も1位となった。同ファンドと同様の手法を用いた運用戦略は、1973年の運用開始以来、さまざまなショックを乗り越えてきた。「長年の運用実績があり、時代の流れに合わせつつ、ブレない投資方針で運用している」(関東地方のIFA)。

さらに同率で1位となったのが、「フィデリティ・世界割安成長株投信」だ。同ファンドは世界の上場企業を対象に、その長期的な成長力と株価の割安度に着目し、企業の本源的価値を見極める運用を目指す。同様の運用戦略に基づき運用されている米国籍投資信託は、1989年12月の設定から2022年2月末までで、約57倍になったという圧倒的な運用実績を持つ。「下落に強く、今後の値上がりが期待できると思える銘柄選択をしている」(証券会社・支店)。

もう1つの1位ファンドが「ひふみプラス」であり、今回1位となったファンドのうち、唯一、日本の企業を主な投資対象にしている。数年前にはその圧倒的なパフォーマンがメディアにもしばしば取り上げられたが、引き続き高い人気を保っているようだ。「現状、日本株は世界株に比べて安く、ひふみプラスも基準価額が下落しているため、下がっているときに積立で購入したい」(近畿地方の地銀・本部)。