明治安田アセットマネジメントは、同社ウェブサイトでスペシャル・レポートを定期的にアップしています。年5回程度出されるもので、同社運用ファンドに関するものではなく、その時々でマーケットの話題になっているテーマが取り上げられるので、資産運用の際のヒントになります。

TOPIXに比べ東証REITのパフォーマンスは低い?

この6月に出されたスペシャル・レポートのテーマは「J-REIT」です。ご存じのように、J-REITは東京証券取引所に上場されている「不動産投資信託」です。オフィスビルや商業施設、レジデンス、倉庫、ホテル、介護施設、などの不動産物件を複数購入し、そこから得られる賃貸収入や、物件売却によって得られた売買益を、ファンドを購入した投資家に分配します。

不動産投資信託というのは通称で、正式には「不動産投資法人」と言います。その名の通り、不動産に投資することを主な事業として行っている法人です。この投資法人が発行した「投資証券」は、東京証券取引所に上場され、投資家は、株式と同様に、この投資証券を保有・売買します。金融商品の通称としては、不動産投資信託というように「投資信託」という名称が付いていますが、実際には株式に近い性質を持っています。

東京証券取引所に上場されている不動産投資信託は現在61銘柄あります。この61銘柄の市場価格をインデックス化したものが「東証REIT指数」です。

東証REIT指数の算出は2003年3月31日を基準日として、同日の指数を1000ポイントとして算出されています。過去の推移を見ると、2007年5月末に2612.98ポイントまで上昇した後、サブプライムショック、リーマンショックの影響を受けて、2009年2月末には770.18ポイントまで急落。そこから徐々に回復基調をたどり、2019年10月末には2245.01ポイントまで回復しました。

しかし、2020年に入ってから新型コロナウイルスの問題が浮上し、同年4月末には1576.43ポイントまで下落しました。現在はそこからの回復局面で、2021年7月末には2160.33ポイントまで上昇。2022年5月末時点では2006.03ポイントとなっています。

上記は東証REIT指数のうち「配当なし指数」の推移ですが、東証株価指数であるTOPIX(配当なし)も同様に2003年3月31日時点の基準日を1000ポイントとして算出し、その推移を比べた場合、2022年5月末時点で2427.25ポイントですから、この19年2カ月間のパフォーマンス比較において、東証REIT指数はTOPIXに負けているように見えます。