2022年4月20日、米Netflixの株価は前日の終値348.61ドルから226.19ドルへ、約35%減の大暴落を記録した。2021年11月には690ドルの大台に上った同社。しかし、年明け以降は低迷を続け、2022年5月17日の終値は最高値の3分の1以下、190.56ドルにまで下落している。

Netflixは直近5年で売上高を3倍近く伸ばした、グロース株のひとつといえる。将来の株価上昇を見込んで割高な銘柄へ投資するグロース株投資は、企業の成長や業績の伸び次第で大きな利益が狙える反面、今回のように損失を生むリスクもあるため注意が必要だ。

さらに、一般的に金利上昇局面はグロース株にとって不利になるとも考えられている。FRB主導の金利引き上げが進むなか、個人投資家はグロース株投資にどう向き合うべきか。Netflixの例から考えられるグロース株投資の注意点や、グロース株とバリュー株、それぞれと金利との関係について紹介する。

2022年で2回の暴落を経験したNetflix

Netflixの株価暴落は2022年に入って2度目。1月にも同社は20%近い下落を経験している。1月20日に発表された同社の2021年10月〜12月期決算にて、前年の50%程度しか会員数が増えなかったことが伝えられ、投資家が先行きを警戒したことが下落の要因と考えられる。

今回の急落も2022年1~3月期決算が発表された直後の2022年4月20日に起きた。当期ではウクライナ情勢を背景としたロシア事業の中断などにより、過去10年で初めて会員数が減少。さらに、Netflixは第2四半期にも200万人近く会員数が減ると予測を立てている。

また、広告付き廉価プランの導入や複数世帯でのアカウント共有へ追加課金を行う旨の告知もされた。その結果、Netflixはたった1日で時価総額約540億ドル、日本円にして約7兆円を喪失。市場の失望が反映された結果といえるだろう。