6割超が赤字… 社長の厳しい懐事情
社長のお金事情はどうでしょうか? 社長といえばお金持ちで羽振りが良いイメージがあるかもしれません。しかし実態は厳しいようです。上述した国税庁の「会社標本調査(2019年度)」によると、欠損法人(※)の数は全体の61.6%にまで上りました。つまり社長の6割以上は赤字企業を経営しているのです。特に「出版印刷業」など欠損法人の割合が70%を超える業種もありました。
※欠損法人:法人税の計算上、所得がマイナスに陥っている法人
【赤字企業が多い業種ワースト5】
1.出版印刷業:73.9%
2.料理飲食旅館業:73.6%
3.繊維工業:73.3%
4.食料品製造業:71.6%
5.小売業:70.2%
※数値は欠損法人割合(欠損法人の数÷全法人の数)
出所:国税庁 会社標本調査(令和元年度分調査)
欠損法人割合が過半を占める状況は常態化しており、2019年度の61.6%はむしろ改善しつつある数値です。10年前は7割を超えていました。これは利益を計上できた企業が赤字企業の半数にも満たないということを意味しています。
【欠損法人割合の推移】
2009年度:72.8%
2011年度:72.3%
2013年度:68.2%
2015年度:64.3%
2017年度:62.6%
2019年度:61.6%
出所:国税庁 会社標本調査(令和元年度分調査)
一定の改善が進んだ上でなお赤字企業のほうが多いため、その経営者たる社長の経済状況も厳しいものと推測されます。社長といってもお金に余裕があるとはいえないようです。