異動先の営業企画部で社内改革を推進

異動先が営業企画部と知らされた時は、それまで株式部や債券部、事業法人部や金融法人部は知っていましたが、聞いたこともない部署でしたので、正直、飛ばされたかも?と不安になりました。

でも、「伊井君はいつも、会社に対していろいろ提案してたよね。それを企画で好きにやっていいから」と人事部の方に言われ、営業企画部の担当役員からも、「会社を良くすることをどんどんやれ」とのお墨付きを与えられました。視界が晴れたようでした。かねてから証券会社の営業は前時代的であると思っていたので、部内の若手メンバーと改革に着手することになったのです。

当時の改革のポイントはまず情報化です(今でいうデジタル化ですね)。朝、マーケットや商品に関連する情報、営業方針などを社内全店向けに流す衛星放送のコンテンツを充実化させ、自分自身もキャスターを務めました。もともと本社の人間がキャスターをするのではなく、支店でトップセールスで頑張っている人材を抜てきすることで支店の皆さんに訴求させようと考えていた企画でもあったので、結果として自分がキャスターを務めることとなって内心少し焦りましたが、よい経験になりました。

また、一度に数十件の送り先にファックスを送信できる、当時の最新鋭のファクシミリ機を全支店に導入し、その日の営業活動に活用できる情報を掲載したファックス情報紙を一斉配信する仕組みも作りました。いまでいうメルマガです。毎日、会社全体で数十万件、株式情報や著名人のコラムなど入れて編集し一斉配信していたのです。

こうしてお客様が受け取る情報のクオリティを向上させると共に、営業のクオリティも高めるため、顧客属性などのデータを整備し、こういう職業のお客様だったら、こういうリスク・リターン特性の商品を好むといったように、顧客ニーズを予測できるデータマーケティングのデータベースも開発しました。その他にもNTT株やJR株の売り出しの企画も担当し、さまざまな工夫をこらしたマーケティングを行いました。