特定口座は源泉徴収「あり」と「なし」が選べる

特定口座と一般口座の違いを簡単に説明すると、金融機関が口座内の損益を計算してくれるかどうかだ。

投資で利益が出た場合は原則として確定申告が必要になる。申告のためには損益を計算し、納税額を算出しなくてはならないが、特定口座では金融機関が納付すべき税額を『特定口座年間取引報告書』にまとめてくれるのだ。もし特定口座以外に株式などの譲渡(売却)がないなら計算の手間を省くことができる。

さらに、特定口座は『源泉徴収あり』と『源泉徴収なし』の2種類から利用口座を選べる。源泉徴収ありの特定口座は税金が利益から天引きされるため、確定申告そのものが不要となるわけだ。

源泉徴収なしの特定口座は確定申告後に税金を納める必要があるものの、一旦は利益の全額が手元に入る。再投資に回す資金が増えるため、頻繁に商品を買い換えて値上がり益を狙うなど、積極的な取引を行うなら源泉徴収なしのほうが有利といえる。

一般口座では年間取引報告書を作成してもらえないが、上場前の未公開株を取引できるというメリットもある。確定申告の負担は大きいものの、未公開株に興味があるという人はこちらを検討してみてもいいだろう。

上記を踏まえると、特定口座の源泉徴収ありとなし、一般口座の使い分けは以下の通り。

特定口座(源泉徴収あり):納税の手間を減らしたい人向け
特定口座(源泉徴収なし):再投資の資金をなるべく多く確保したい人向け
一般口座:未公開株を取引したい人向け