BTS始め世界でウケる韓流コンテンツに見える“ある共通項”

最近、「2度目の長期休暇」を宣言し、注目を集めている韓国のアイドルグループ、BTS(防弾少年団)。昨年は「アメリカン・ミュージック・アワード(American Music Awards)」でアジア歌手として初めて大賞を受賞、アジア圏のみならずアメリカ、ヨーロッパ、北アフリカ諸国でも絶大な人気を誇っている。ここ最近は新曲が発表されるたび、米ビルボードチャートを賑わし、つまりは「休暇」が話題になるほどの世界的スターといえる。

BTSなどのK-POPだけでなく、近年は韓国カルチャーが世界規模で好調だ。Netflixで配信された『梨泰院クラス』『愛の不時着』『イカゲーム』などの「韓流ドラマ」は欧米でも話題になり、つい先頃はNetflixオリジナルドラマ『地獄が呼んでいる』がNetflix非英語圏TV番組部門で全世界ランキング1位の視聴時間を記録した。すでに韓国ドラマの製作費の半分近くに海外からの投資資金が入っている状態だ。

韓国カルチャーが好調な背景には、90年代末にアジア通貨危機の影響で韓国がIMF 管理体制下に入ったことをきっかけに、韓国政府が輸出産業として映像作品や音楽に力を入れ始めた流れがある。もともと人口的にもGDP的にも日本よりも内需に頼れない韓国では、「外向き」の視点でコンテンツを制作する必要があった。その20年以上の積み重ねが、ここ数年で華開いている印象だ。

特に近年の作品では、輸出を強く意識しているため、倫理観やコンプライアンス意識、ジェンダー観が欧米に近い。グローバルな視点が「韓国強し」の状況を作っているといえるだろう。